2002.10 文殊の知恵熱 公演裏レポートvol.1 (更新2002.11.11)

第1日目


羽田空港にて
天気予報で見るかぎり、残念ながらこの数日間、広島の天候は悪いらしい。しかし出発の日の東京は快晴。羽田空港にメンバー、スタッフが集合した。
連休のため空港は混雑している。松本氏は一番に到着しており、チェックインも済ませて余裕の表情。そこへ“出がけに、足にトゲが刺さってることに気づいて、広島までこのトゲを持っていくのもどうかと思って、抜こうとしたら途中で折れちゃって、血だらけになって必死に抜いてきた”とうじ魔氏と村田氏も合流。時間がないので、すいている自動チェックインの列に並ぶ。が、実はやり方がわからないので、オドオドする二人。先に順番が来た村田氏が、両腕を広げ、大袈裟な身構えでピンチに挑む。さすが“元舞踏演芸家”。が、難なくチェックイン(簡単だった)。早くも先が思いやられる一行だったが何とか広島へ旅立った。


広島空港にて
到着後、まず文殊のメンバーを悩ませたのはもちろん「昼飯をどこで食べるか」だ。ちなみに本日は13時から美術館でさっそく打ち合わせが入っている。山の上にある美術館の回りは恐らくまともに食事する場所がないであろう。となると、空港でとるべきなのだが、まだ11時前。しばらく議論が交わされる。三人寄れば文殊の知恵熱。三人で「朝も早かったから」という理由をつけて、納得。早くも空港で昼食をとることが決まった。1階、2階、3階と空港内の食堂を一店舗ずつ細かくチェック。どんなことにも手を抜かないのが文殊のこだわりなのか!?(結局一番最初に見たラーメン屋になる)

 

タクシーにて
いざ広島市内へ。
“リムジンバスでなく、タクシーで行こう。料金もさほど変わらないだろうし、重い荷物を持って美術館のあのキツい坂道を登らずに済むし”というグッドアイディアが出て、タクシーをつかまえる。
「私も…」と自分の荷物まで一緒になって後部トランクに入れているナイスキャラの運転手さんに気をとられていたすきに、ふと見ると、松本氏と村田氏が、運転手さんの横の狭いシートに二人小さく座っているではないか。女性スタッフもいるのだから、これには運転手さんも驚きだ。とうじ魔氏から「文殊の二人は、と〜ってもいい人」と、うかがっていたが、まさにニコニコととうじ魔氏やスタッフに広い席を譲るお二人。痩せているとうじ魔氏とスタッフらは恐縮しながらも後ろの席で悠々と座ることになった。


広島の中心部に差し掛かると、まもなく目指す比治山が見えてきた。この間、前のシートのお二人はさぞかし窮屈だったであろう。ずっと縮こまっていた。美術館前でタクシーを降りると、お二人は何故だか妙な笑顔をこちらに向けている。聞くと、二人が縮こまっていた理由はシートが狭いことだけではなく、メーター料金が予想をはるかに超えて、とんでもなく上がっていたからであった。93年に移転したという広島空港は市内から遠いと聞いていたが、実際とても遠かったのである。


美術館にて
気をとりなおし、広島市現代美術館の学芸員、岡本女史を尋ねる。まだいらっしゃらないということで案内されたのは、開催中の「ダニエル・リベスキンド展」。これを見学した後、スタッフ顔合わせ。早速、会場のチェック、客席のセッティングなどが行われる。

公演の中盤で神秘的な音を奏でるアルミパイプ。これを天井からテグスで吊す作業が行われる。だいたい150cm程度のところに吊したいが、という村田氏の指示に、岡本氏が一言、「私の身長150cmなんで、私で計ってください」。なんと彼女は自ら人間定規として、この公演に文字通り、身を捧げたのであった。



トラブル勃発

さっそくステージが昇降しないというシステムトラブル。そこへ追い打ちをかけるように松本氏が体の不調を訴え始めた。どうやら風邪らしいのだ。しばらくすると完全にダウンしてしまった。


元気な頃の松本さん 
(11時頃、広島空港ラーメン屋にて)

千番にて
会場の仕込みが済み、目処がついたところで本日は終了。岡本さんイチオシの店「千番」で親睦飲み会(ホテルでダウンしている松本氏をのぞく)。
ここで岡本さんの酒好きが判明。もたもたしているうちにビールの泡が消えていくのを見ていられないようだ。何はともあれカンパイ。今日から数日間協力しあうスタッフ達も交流を深めます。
松本氏は昼に引き続き、一人でラーメン食べて就寝されたとのこと。ホテルに戻ったとうじ魔氏が部屋を訪れると、まるで死人だったそうである。

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