2002.10 文殊の知恵熱 公演裏レポートvol.3( 更新2002.11.26)
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第3日目


本番目前
ホテルロビーに集合し美術館へ。アンプのチェックや、破損箇所の修復など、それぞれ音楽家とも美術家とも舞踏家ともつかない作業をもくもくと行う。





ゲネプロ後、最終打ち合わせをし、後は本番を待つのみ。開場までの空き時間、美術館回りで、写真撮影。
 
13時、整理券の受け渡しが始まる。報告によると出足はなかなか良い様子。果たして客席は埋まるのか。

14時、開場。階段には老若男女が列になっている。次々と客席が埋まり、満員に。まずはホッと一息。いよいよ本番である。



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本番終了。めぐまれた天候のおかげで美術館全体をいかした公演が実現できました。青空の下、三人は深くお辞儀。観客からは「ブラボー!」という声もあがっておりました。文殊の知恵熱、スタッフの皆さま、お疲れさまでした〜。

 

 

無事、公演終了
とても気配りのきくスタッフのキクちゃんが用意してくれたお茶で一息の後、手際よく撤収作業が行われる。

撤収もスムーズに終わり、ゆとりができたところで、学芸員岡本氏が“文殊と回る「通俗的、秘宝館的」作品展ツアー”を提案。文殊の三人を先頭に、スタッフ全員で開催中の作品展「通俗的、秘宝館的」を鑑賞して楽しむ。この作品展は、美術評論家の椹木野衣氏をキュレーターに迎えた企画で、「高級美術作品」として蒐集されてきた作品を通俗的な視点でまとめることによって、作品の中に「秘宝館」的エンターテインメント要素を見いだしちゃう、というコンセプトの作品展だ。
公演の打ち上げ気分も助長して、一行はまさに温泉地の秘宝館を訪れたような気分で「高級芸術作品」をみて回った。
いわゆる“芸術的”な企画ばかりにとどまらず、幅広くアートを紹介する広島市現代美術館のラインナップに今後も期待です。


打ち上げ
こうして3日間、朝から晩までお世話になった美術館ともお別れ。
そこへ岡本氏、「“千番”“中ちゃん”とディープな店が続きましたが、今晩は広島で一番ディープなところにご招待します」と意味深な目つきをした。それはいったいどこかと問うと、なんと「岡本邸で母の手料理ですぅ」とのこと。最後までみんなを驚かせた岡本氏であった。
比治山からほど近い岡本邸に到着し、二階のリビングで乾杯。お母様がキッチンから次々と料理を出してくれる。いつのまにか松本氏の体調も復活して、文殊のお三方を囲み、岡本邸は日本酒豊富な居酒屋と化した。

 

おちゃめな岡本ママ

翌日●舞台裏の舞台裏
ちなみに、広島へ到着した日から、とうじ魔氏が頭のすみでずっと気にかけていたものがある。それは“領収印アートのための”公共料金の支払と、“テレカアートのための”テレカの購入だ。(“領収印アート”については「半芸術」を参照すべし)
いずれにしても使うもので私的快楽を追求し、作品をつくらずして作品にしてしまうとうじ魔流アート。携帯電話を持たない氏は、空港に降り立った時からテレホンカードのチェックを始めた。
しかし、初日の空港から市内にいたるどの自販機も、「見本」という色紙だけが見本の役割を果たさずにガラスケースに並んでいた。土産屋には多少置いてあるものの、どれもNGである。絵柄は自分の行った場所でなくてはならぬ、というのが、自称“俺マニア”とうじ魔氏のこだわりだ。広島といえども宮島や呉ではダメなのだ。おまけに氏は“テレカコレクター”ではないので、金色の縁取りが施されていて50度数なのに1000円なんていう付加価値のついたカードも願い下げだ。当然買ったテレカはジャンジャン使うし。
そんなシンプルなような、ややこしいような、他に類をみない目的のために、どこへ行ってもテレカをチェックしていたとうじ魔氏であったが、努力空しく空振りの日々。そのまま最終日を迎えてしまった。
最終日、東京へ戻る前に訪れた原爆ドームの土産屋も収穫無し。もうタイムオーバーである。あきらめてお好み村でお好み焼きを食べる。もう広島ともお別れだ、とエレベーターを降りると、そこにテレホンカードの自販機が! 見ると素晴らしいことに、先程確かに訪れた原爆ドームの、そして50度数が500円の“正しいテレカ”が輝いているではないか!「最後の最後になんてラッキーなんだ〜」と涙ながらにボタンを押すとうじ魔氏。これでもう悔いなし。ようやく見つけたカードを手にすると…そこにはなんと赤い鳥居!紛れもなく、それは「宮島」である。 感動の涙は一転、ショックの涙に。とうじ魔氏はもう一度500円玉を入れた。そして出てきたのは…デジャブ!?宮島! その場で笑い泣きするとうじ魔氏。奇しくも「リボンの既視」は人知れず、とうじ魔氏の宮島テレカのデジャブで幕を閉じたのであった。

-終-
  
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